塗料の比較 その3

前回の続きです。
塗装板
塗装した材料は、18mmのパイン板材
条件を同じにするため、塗装方法はすべて統一しました。
①パイン板材の表面を♯240の紙やすりで、研磨する。
     ↓
②塗料をウエスで、ムラにならないよう塗装する。
     ↓
③10分ほどしてから余分な塗料をウエスでふき取る。
     ↓
④24時間ほど、乾燥させる。
     ↓
⑤再度、上塗りとして塗装する。
     ↓
⑥10分ほどしてから余分な塗料をウエスでふき取る。
2度塗りをする必要はなかったのですが、塗装後の効果がよくわかるように2度塗りしてみました。なので、塗装自体はだいぶ厚塗りになっているかと思います。


比較の方法は、
①塗りやすさ ②塗った後の質感 ③汚れにくさ
を、検討したいと思います。
今回は、塗りやすさや塗料について、乾燥後の質感を見てみます。
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まず、オイル系と蜜ロウ系での塗装の方法について。
オイル系と蜜ロウ系では、塗り方が違ってきます。
蜜ロウ系は基本的に固形状態になっていますので、ウエスよりスポンジなどで、うすーくうすーく塗り伸ばしていくような感じで刷り込む必要があります。若干テカリが出ますので、斜めからテカり具合をみながら塗られている状態を見ていくのがいいのかなと感じました。べたつかないようにケチケチとうすーく塗るのが基本のようです。が、つい厚塗りになってしまいがちです。
オイル系は溶剤は含んでいますのでオイル状態です。ウエスや刷毛などで、さーと塗ってから、少し時間をおいて材料に浸透したかなというころにウエスなどで浸透していない分をふき取る必要があります。クリア塗装なので、べたつき感がないようにしっかりふき取るのが基本だと思います。
キヌカはふき取る作業というより、直ぐに浸透してしまう感じなので、どちらかというと蜜ロウ系での塗装のように、ウエスですり込んでいくような感じがいいと思いました。
後は、どちらの塗料も木にしっかりなじむまで、養生しましょう。
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無塗装
やっぱり無塗装のままでいくと、次第に木の痛みが出てくるでしょうね。木材を守るためには、やっぱり塗装は必要だと思います。
でも、せっかくの無垢材。ウレタン塗装でテカテカにしたくはないですよね。
シッケンズ塗料 シッケンズ塗装
シッケンズ 水性フロアー(オイルフィニッシュ)
若干、匂いがあります。なので、塗るときには換気が必要です。
塗装後、乾燥すれば匂いは消えました。
オイルフニッシュなので塗りやすい。
パイン材の色的には変化がほとんどありません。オイル系の中では一番艶が出ました。
斜めからすかしてみると、薄い塗膜があるのがわかります。
質感は、他と比べると塗装のテカリを若干感じます。
撥水性は、とっても良さそうです。
オスモ塗料 オスモ塗装
オスモ ノーマルクリアー(オイルフィニッシュ)
オスモに関しては、このサイトが詳しいです。
若干、匂いがあります。なので、塗るときには換気が必要。
塗装後、乾燥すれば匂いは消える。
オイルフニッシュなので塗りやすい。
しっとりとしたオイル調に仕上がる。
パイン材の色的には変化がほとんどありません。若干の艶は出る。
質感は、さすがオスモですね。とっても自然な感じが出ています。
ユーロ塗料 ユーロ塗装
ユーロオイルクリヤー(オイルフィニッシュ)
若干、匂いがあります。塗るときには換気が必要。
塗装後、乾燥すれば匂いは消える。
オイルフニッシュなので塗りやすい。
しっとりとしたオイル調に仕上がる。
パイン材の色的には変化がほとんどありません。若干の艶は出る。
質感は、オスモに負けず自然な感じがとってもいいです。3分艶がでる製品だといわれていたのに、パイン材に塗った感じでは、そんなにテリを感じませんでした。完全乾燥後は、サラッとしていて、塗装しているのが分からないくらいです。
注意点としては、この塗料、自然塗料なのですが、2回以上塗るとF☆☆☆☆じゃなくなるみたいです。
まあ、外国製の自然塗料は、溶剤の具合か、F☆☆☆☆をとっていなくて、F☆☆☆☆同等品だというものが多いので、塗装時に換気さえきちんとしておけば、そんなに気にすることではないのでしょうかね。
プラネットカラー塗料 プラネットカラー塗装
ラッペンワックス(蜜ロウ)
溶剤が入っているためか、塗料自体はジャムの様な少しねばりをつけたような感じです。
匂いは若干しますので、塗るときには換気が必要。(マツ系統の木油の香りらしい)
塗装後、乾燥すれば匂いは消える。
ウエスですり込んでいくように塗るのがいいかなと感じます。
塗装後の質感としては、艶がでて、板材がきれいなあめ色になるが、塗膜が生じるわけではなく浸透している感じがします。
蜜ロウ系のなかでは、一番艶が出ている感じがしますね。
未晒し塗料 未晒し塗装
未晒し蜜ロウワックス(蜜ロウ)
固形化しているが、硬すぎるということはない。
匂いはなし。換気の必要なし。
ウエスよりはスポンジとかの方が塗りやすそう。
艶がでて板材がきれいなあめ色になります。
蜜ロウの塗装後は、しっとりとしたあめ色でどれもきれいだと思います。
モリエン塗料 モリエン塗装
モリエン 蜜ロウワックス(蜜ロウ)
蜜ロウ系の中では、一番固形化していました。
匂いはなし。換気の必要なし。
ウエスよりはスポンジとかの方が塗りやすそう。
艶がでて板材があめ色になります。
床に塗る場合、他の蜜ロウより少し滑りやすいかもと感じました。
キヌカ塗料 キヌカ塗装
キヌカ(オイルフィニッシュ)
溶剤を含んでいないためか、匂いがほとんどありません。なので換気の必要なし。
オイルフニッシュなので塗りやすい。塗るというよりすり込む感じ。
他のオイル系塗料より、板材に塗料が浸透しやすく、乾燥も速いです。
パイン材の色的にはしっとりとした濡れ色になり、自然な艶がでました。
質感としては、オイル系の中で、艶の出かたは一番自然に感じてきれいです。触った感じもサラサラでいい感じです。
ただ、撥水性はどうかなあ、試してみなければわからないけど、弱いかなという気はします。まあ、気軽に塗れるので、床を拭いた後、そのたびに塗りこんでおくというやり方もできそうです。
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全ての塗料において、塗装後、乾燥すれば匂いは消えました。
試したのは全て自然塗料なので、無垢材の質感はどれも生かされているように感じます。どれもいい塗料なのでしょう。
塗装後も、触った感じが木なんです。これは、既製品やウレタン塗装では絶対に味わえないと思います。
次回は、汚し実験をしてみようっと!